イベントレポート: Executive Briefing by ZEN Architects & Microsoft

2024/12/18
2024/12/18
EventMicrosoft PartnerGitHub

2024年12月2日(月)に、ZEN ArchitectsとMicrosoftの共催イベント「Executive Briefing by ZEN Architects & Microsoft - GitHub Universe / Microsoft Ignite 2024 Recap」が開催されました。AzureやGitHubを利用されている当社のお客さまから20名を招待し、GitHub UniverseとMicrosoft Igniteの内容のご紹介を行いました。また事例紹介として、そのうち3社の代表者さまにパネルディスカッションをしていただきました。複数のお客さまを招いてのRecapイベントはZEN Architectsにとっても新しい試みでしたが、非常に好評をいただき大盛り上がりの結果となりました!

イベント概要

本イベントでは、まずMicrosoft社からオープニングセッションと最新サービスの紹介が行われ、当社からはZEN Architectsならではの観点から解説したAzure/GitHub新機能と、直近のアーキテクチャ事例の紹介をさせていただきました。その後3社のお客さまに登壇いただき、それぞれのAzure利用事例についてパネルディスカッションを行いました。

今回、日本マイクロソフト本社Microsoft Innovation Hub内にあるEnvision Theaterという珍しい会場を利用しました。こちらの会場には非常に大きなスクリーンが設置されており、映画館のようなユニークな場で講演を行うことができます。アメリカ開催のMicrosoft Igniteで撮影された現地の会場写真をスクリーンいっぱいに投影し、まるで現地にいるかのような雰囲気を味わいながらイベントを進行しました。

theater

下記の通り、さまざまな事業規模のお客さまにご参加いただきました。(順不同、社名公開許可をいただいた企業さまのみ)

  • 株式会社北國銀行
  • コンテンツワークス株式会社
  • KINTOテクノロジーズ株式会社
  • 株式会社建設システム
  • セリオ株式会社
  • 三菱重工業株式会社
  • 株式会社ネクステージ
  • 株式会社4COLORS
  • 富士フイルムソフトウエア株式会社

以下、各セッションの様子をかいつまんでご紹介いたします。

セッション紹介

オープニングセッション

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Microsoft Innovation Hub業務執行役の榎並利晃氏によるオープニングセッションでは、AzureやGitHubをはじめとするMicrosoftサービスの目指すところや活用方法について語られました。キーとなる生成AIの側面では、業務におけるAI利用の考え方を紹介。一般化できるような日々の業務をAIに任せて時短・効率化を図る場面もあれば、「統合」や「創造」の領域での高レベルな業務でAIを活用するケースも出てくるため、それぞれに適した環境整備が必要になってくるという興味深いお話をいただきました。また、これからのテーマとしてAgenticなシステムの構築が重要視されているようです。多数のモデルを活用しやすくするためのプラットフォームとしてMicrosoftサービスがどのように進化していくのか、今後の動向にも期待です。

Microsoft Ignite 2024 Update

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続いてMicrosoftのSenior Cloud Advocate寺田佳央氏による、Ignite 2024で発表された新機能の紹介セッションが行われました。今回のアップデートでは代表的なAzure AI Foundryだけでなく、データやインフラ面からも生成AI利用を支えるサービスが次々とリリースされています。GitHubのCopilot Editsを使ったプログラミング言語のバージョンアップ修正を一気に行うデモも行われました。マイグレーションユースケースではその他にも利用できるサービスが出てきており、開発生産性の向上に大きく貢献しそうです。またAzure Container Instancesのスタンバイプールなど、生成AI関連以外でも痒い所に手が届く機能が続々と発表されており注目です。

ZEN流マルチエージェント実装パターン

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こちらのセッションでは、まずはZEN Architectsが今年関わった事例のアーキテクチャ紹介を実施しました。Microsoft CEOのIgniteキーノートでも言及されたトヨタ自動車株式会社のグローバル事例「O-beya System」、そしてZEN Architectsメンバーが珍しく自社開発することとなった開発ハッカソン「第三回AI Challenge Day」への参加時のアーキテクチャについて解説しました。いずれもIgniteでもテーマとして掲げられていたマルチエージェントシステムの実装パターンを取り入れたもので、Cosmos DBやFunctionsなどAzure PaaS/Serverlessサービスの新機能も活用しながら、スケーラビリティや柔軟性を高めたアーキテクチャを実装した事例です。

芝村と横浜からは、今回のアップデートを独自の観点でまとめてご紹介しました。Azureからは、この時点ではLimited Previewに参加している開発者が世界でも非常に限定されるDurable Task Schedulerや、待望のCosmos DBフルテキスト・ハイブリッド検索などを解説。GitHub EnterpriseからはCopilot Autofix、Custom Instruction for GitHub Copilotをピックアップし、開発・運用の効率化にどのように活用できるかを紹介しました。

パネルディスカッション

最後に、これまでZEN Architectsがサポートしてきた以下3社のお客さまに登壇いただき、それぞれの利用事例についてパネルディスカッションを行いました。

panel

北國銀行様からは金融機関の厳しい制約の中でいかに技術のモダナイズやDevOps効率化を進めていったか、コンテンツワークス様からはオンプレ→PaaS移行を驚くべき短期間で達成した秘訣、KINTOテクノロジーズ様からはAOAIを使ったキャラクター設定とそのユニークな実地検証についてお話しいただきました。それぞれ領域の異なる取り組みですが、業界でも例のないほどの成果を上げられています。ディスカッションの途中で3社の開発スタイルの共通項として「内製」「アジャイル」が浮かび上がり、これらのキーワードが成功事例につながっていることがうかがえました。

さいごに

今回のイベントは、AzureとGitHubの新機能やアーキテクチャの紹介の場としてだけでなく、お客さま間の交流の場としても意義のあるものにできたのではないかと思います。セッション終了後に懇親会を行いましたが、日頃よりサポートさせていただいているお客さまがそれぞれの事例を持ち寄りディスカッションされている様子はZEN Architectsにとっては感慨深く、またお客さまからは新鮮で学びある機会だったとのお声もいただきました。今後もRecapイベントに限らず、このような情報共有の機会を企画できればと考えています。ご参加いただいたお客さま、登壇いただいたお客さま、そしてご協力いただいたMicrosoftの皆さまに感謝申し上げます。